生ハムっておいしい

趣味や日常について

1日1小説

カリオストロの城

「その映画好きだよね」 「ウン」 勇くんはいつも、ツタヤに行ってセットレンタルまでの枚数が余ると、ルパン3世のカリオストロの城を、絶対最後の1枚に組み込んで借りてくる。 なんでも、小さい頃から家族で見ていた思い出深い作品だそうで、何度見ても飽き…

スイカ

ミーンミーンミーンミーン セミの声がうるさい。 少し湿気た、ツンとした香りのイグサの匂いを感じつつ、僕はばあちゃんの家で、大の字で寝っ転がり満喫していた。 ひらけた縁側から吹き抜ける風が心地よい。 「スイカ食べるかい?」 ばあちゃんが、既に、僕…

リス

街に暮らしていると、人間以外の動物を見ることは少なくなる。 犬、ネコといった愛玩動物を目にすることがほとんどで、野生動物には出会ったことがない。 そんな僕も、一度だけ、野生のリスを見たことがある。 家族で北海道に行った時だ。 ホテルで気球の催…

しりとり

もう何周目かのキャンキャン。 ソファにずっしり、わたしの重みと雑誌の重み。なんだか全てが面白くない。気だるい。 目の前でニンテンドーSwitchに勤しむ弟。世界を救うのに夢中。 キャンキャンを閉じて胸に置いた。 「しりとりしよう、しりとり!」 「りん…