ミーンミーンミーンミーン
セミの声がうるさい。
少し湿気た、ツンとした香りのイグサの匂いを感じつつ、僕はばあちゃんの家で、大の字で寝っ転がり満喫していた。
ひらけた縁側から吹き抜ける風が心地よい。
「スイカ食べるかい?」
ばあちゃんが、既に、僕の食べやすい形にカットしてくれているスイカを持って来てくれた。
問いかけてはいるけど、実際食べろと言っているようなもの。ちょうど食べたかったから、良いんだけどね。
そんなところも、ばあちゃんには見抜かれてるのかな。
「ここに、種避けといて」
僕は志村けんばりのスイカの食べ方はしない。ギザギザスプーンをうまく使って種を排除しながらスイカを食べる。
ばあちゃんの家は、居心地が良い。
何か引っかかることがあると、すぐ僕は、ばあちゃんに助けを求めるのだ。
ばあちゃんはそれを、静かに受け止めてくれる。
話したくなるまで、何も聞かず、静かに受け止めてくれる。
「ばあちゃん、」
「ぬるくなっちゃう前に先食べんさい」
「うん、、、」
ばあちゃんはなんだか、わかっているような顔をした。