生ハムっておいしい

趣味や日常について

カリオストロの城

「その映画好きだよね」

「ウン」

勇くんはいつも、ツタヤに行ってセットレンタルまでの枚数が余ると、ルパン3世カリオストロの城を、絶対最後の1枚に組み込んで借りてくる。

なんでも、小さい頃から家族で見ていた思い出深い作品だそうで、何度見ても飽きることはなく、勇くんの人生を語る1本に入る映画らしい。

 

勇くんの、映画を見てるときの目、とってもキラキラしてる。

 

以前、ちょっと知ったかぶって、「ルパンは大変なものを盗んでいきました、あなたの心です、、、って刑事さんが言うやつでしょ?」なんて言ったら、勇くんは冷たい目をこっちに向けて、その日は口を聞いてくれなかった。

その事件の次の日、勇くんは「そういうことじゃなくてさ〜、」なんてブツブツ文句を言ってきたけど、そんなの知んないよ。なーんて言い返せるわけもなく、なんとなく「ごめんね」だけ言って、話を終わらせたっけ。

 

勇くんのキラキラした目を見るのはとっても楽しいし、嬉しいことだけど、わたしをちょっとさみしい気持ちにさせる、カリオストロの城を、わたしは今後も全部見ることは無いんだろうな。